評価制度は「何ができたら一人前か」が決まっていないと動きません。そして一人前の定義があっても、そこまで育てる道筋(OJT)がなければ、評価は「できていない人を見つける道具」になってしまいます。
順番は ①一人前の定義(スキルマップ)→ ②そこまで育てる仕組み(OJT)→ ③育った人に報いる仕組み(評価)。三つが同じスキルマップを使うので、教えることと評価されることがズレません。
10店舗にするには、店長が10人、店長を支えるリーダーが10人、ママがいなくても店を回せる一人前が25人以上要ります。「ママにしかできない」を減らし、誰が入っても3か月で一人前になる仕組みがあって初めて、2店舗目以降が出せます。
このスキルマップは「一人前」だけでなく「店長」まで一本の階段でつないでいます。
Ritaのスタッフに必要な力を41項目に分け、それぞれ「どこまでできたら一人前か」をLv0〜4で定義。「一人前」=必須項目がすべてLv3。
使う人全員
スキルマップの項目を90日・4ステップに並べ、トレーナーが「やってみせる→説明→一緒に→一人で」の型で教える。チェックリストで進み具合が誰にでも見える。
使う人新人・トレーナー・ママ
3か月ごとにスキルマップで現在地を確認、半年ごとに評価面談。等級が上がれば時給・手当が上がる。評価項目=教えた項目なので、納得感がある。
使う人全員・ママ・オーナー
合言葉は「教えたことだけを評価する。評価することは必ず教える。」です。
ママが休みの日でも、Ritaの品質でお店を開けて、お客様を楽しませて、閉められる人。
「できる」の判定は本人の自己申告ではなく、トレーナーまたはママが実際に見て決める。3回続けて一人でできたらLv3、が目安です。
| 分野 | G0 見習い | G1 スタッフ | G2 一人前 | G3 リーダー | G4 店長 |
|---|---|---|---|---|---|
| A 基本姿勢 | Lv1→2 | Lv3 | Lv3 | Lv4 | Lv4 |
| B 接客 | Lv1→2 | Lv2 | Lv3 | Lv4 | Lv4 |
| C ドリンク・フード | Lv1→2 | Lv3 | Lv3 | Lv4 | Lv4 |
| D カラオケ・場づくり | Lv1→2 | Lv2 | Lv3 | Lv4 | Lv4 |
| E オペレーション | Lv1 | Lv2 | Lv3 | Lv4 | Lv4 |
| F 数字・経営感覚 | — | Lv1 | Lv2 | Lv3 | Lv4 |
| G 育成・マネジメント | — | — | — | Lv3 | Lv4 |
必須=一人前(G2)認定に必要 加点=一人前には不要だが評価で加点 G3〜=リーダー以上に求める / 「OJT」列は、どのステップで教えるか(第4章)
| 役割 | 誰が | やること |
|---|---|---|
| 新人 | 入店した人(G0) | OJT日誌を毎シフト書く/チェックリストで自分の現在地を見る/分からないことは分からないと言う |
| トレーナー | G2以上のスタッフ1名(固定) ★当面はママ or 一番のベテラン | 新人の「担当」。教える・見守る・チェックリストに✓を入れる・週1回10分の振り返り。教える時間はシフトに組み込む |
| ママ(店長) | 店長 | 初日オリエン/30日・60日・90日の面談/一人前認定の最終判定/トレーナーのフォロー |
| オーナー | オーナー | 制度の承認・処遇の決定・トレーナー手当の予算 |
トレーナーの心得(5か条)
1シフトに教える新しいことは1〜2項目まで。詰め込まない代わりに、毎シフト必ず1つ進める。
| タイミング | やること | 時間 | 記録 |
|---|---|---|---|
| シフト前 | 「今日の練習テーマ」を1つ決める(例:今日はお見送りの一言) | 3分 | OJT日誌 |
| シフト後 | 「できたこと1つ/次回やること1つ」を本人が言い、トレーナーが一言返す | 5分 | OJT日誌(紙 or LINEノート) |
| 週1回 | チェックリストを一緒に見て✓を更新。つまずきを聞く。翌週の目標 | 10分 | チェックリスト |
| 30日目 | ママ面談:続けられそうか・困りごと・Step2の進み具合 | 15分 | 面談メモ |
| 60日目 | ママ面談:Step3の進み具合、認定テストの日程を決める | 15分 | 面談メモ |
| 90日目 | 一人前認定テスト → 合格なら認定・時給改定。不合格なら不足項目だけ再テスト(2週間後) | 60分 | 認定テスト用紙 |
| 教材 | 中身 | 使うステップ |
|---|---|---|
| ① メニュー・レシピ表 | 全ドリンクの分量・グラス・作り方・原価。写真付き。Step1の暗記テストにも使う | Step1〜 |
| ② カラオケ機器 操作カード | 予約・キー・エコー・音量・採点の操作と、定番トラブル5つの直し方。機器の横に貼る | Step1〜 |
| ③ 開店・閉店チェック表 | 開店30分前からの手順、閉店〜24時までの手順、レジ締め | Step2〜 |
| ④ 接客フレーズ集 | お出迎え・料金説明・初めての方への声かけ・お見送り・クレーム初動の「Ritaの言い方」 | Step1〜 |
| ⑤ ルール・法令カード | 年齢確認、24時閉店、接待NGライン、飲酒運転、現金管理。認定テストの口頭問題はここから出す | Step0〜 |
| ⑥ OJT日誌・チェックリスト | 付録の書式(紙)。LINEノートでも可 | 全期間 |
①〜⑤はママの頭の中にあるものを紙にする作業です。各1〜2時間のヒアリングで作れます(荒木が作成できます)。
90日目(または本人・トレーナーが「いける」と判断した時点)に実施。ママが判定。所要60分。営業前の時間に行う。
| 種類 | 内容 | 合格基準 |
|---|---|---|
| 実技① ドリンク | ママが指定する5種を続けて作る(例:生ビール、ハイボール、レモンサワー、ボトルの水割り、カクテル1種) | 分量・見た目が基準どおり、5杯で★◯分以内 |
| 実技② カラオケ機器 | 予約・キー変更・エコー調整、トラブル3パターン(音が出ない/マイク不良/フリーズ)の復旧 | すべて自力で復旧 |
| 実技③ 会計 | 3パターン(現金・キャッシュレス・割り勘+領収書)とレジ締め | ミスなし |
| ロールプレイ① | 初めてのお客様:お出迎え〜料金説明〜1杯目〜1曲目を歌ってもらうまで(トレーナーが客役) | 料金説明が正確、3分以内に1杯目、無理なく歌に誘えている |
| ロールプレイ② | 困ったお客様:酔って絡む・料金に文句、の初動〜ママへの引き継ぎ | 謝る→聞く→線を引く→引き継ぐ、の順で対応できる |
| 口頭 | ルール・法令10問(年齢確認、24時閉店、接待NGライン、飲酒運転、急病・ケンカ時の手順など) | 10問中9問正解 |
| チェックリスト | 必須項目がすべてLv3にトレーナー✓が入っている。常連さんの名前・好みを★20名言える | すべて✓ |
合格したら:その場で「一人前認定」。G2の時給に改定(次のシフトから)。認定証を渡し、LINEグループで全員に発表。名札やバッジで見えるようにするのも効果的です(★)。
不合格なら:落ちた項目だけを2週間練習して再テスト。「全部やり直し」にはしない。
41項目のLvをそのまま点数に。3か月ごとにトレーナー/店長が確認するので、面談で初めて聞く話がない。
「Ritaらしさ5か条」をどれだけ体現したか。足立区No.1ブランドは、この行動の積み重ねでつくる。
店の数字への貢献。個人売上ではなく店全体の数字(売上・客数・再来店)と、本人が担当した企画・常連づくりを見る。
| 等級 | ① スキル | ② 姿勢・ブランド行動 | ③ 成果 | ④ 育成(人を育てた) |
|---|---|---|---|---|
| G0・G1 | 70% | 30% | — | — |
| G2 一人前 | 50% | 30% | 20% | — |
| G3 リーダー | 30% | 20% | 30% | 20% |
| G4 店長 | 10% | 20% | 40% | 30% |
上に行くほど「自分ができる」より「店の数字」「人を育てた」が重くなります。これが10店舗に向けた設計です。
| # | 行動 | 意味 |
|---|---|---|
| 1 | 名前で呼ぶ | お客様の名前・好み・前回の話を覚えている。「覚えられている」が再来店の一番の理由 |
| 2 | 誰でも歌える空気をつくる | 初めての人、歌が苦手な人も気持ちよく1曲歌える。上手い人だけの店にしない |
| 3 | 一杯目が早い | 席についてから3分以内に一杯目。最初の印象がその日の楽しさを決める |
| 4 | 帰り際がいちばん丁寧 | 会計からお見送りまでを雑にしない。最後の印象が次の来店を決める |
| 5 | 仲間の失敗を一緒に直す | 陰で責めない。気づいた人が手を貸す。店の空気はお客様に伝わる |
評価では各条を「できていない/ときどき/いつも/周りにも広げている」の4段階で見ます。この5か条はママの言葉で決め直してください。
| いつ | 何を | 誰が |
|---|---|---|
| 3か月ごと | スキルチェック:スキルマップのLvを更新(10分)。昇格の材料を貯める | トレーナー or 店長 → 本人と確認 |
| 半年ごと (4月・10月)★ | 評価面談:3要素で評価、次の半年の目標を2つ決める(20分) | 本人自己評価 → 店長評価 → ママ/オーナー確定 → 面談 |
| 半年ごと | 昇格判定:条件を満たした人を昇格。時給・手当を改定 | ママ推薦 → オーナー承認 |
| 随時 | 一人前認定テスト(G0→G2)は半年を待たず、準備ができたら実施 | ママ |
面談の流れ(20分):①本人が自己評価を話す(5分)→ ②店長評価とその理由。スキルマップの✓を一緒に見る(7分)→ ③次の半年で伸ばす項目を2つ決める(5分)→ ④処遇の変更があれば伝える(3分)。面談で初めて悪い評価を聞く、をなくすために、3か月ごとのスキルチェックを挟みます。
| 昇格 | 条件 | 決め方 |
|---|---|---|
| G0 → G1 | Step2まで完了。A分野がLv3、C分野の基本ドリンクがLv3。見守りありで1組を担当できる | トレーナー✓+ママ確認 |
| G1 → G2 一人前 | 一人前認定テスト合格(第5章) | ママ判定 |
| G2 → G3 リーダー | G2として半年以上。A〜E分野に Lv4 が5項目以上。F分野Lv3。新人1人のトレーナーを務め、その新人が一人前になった。本人にやる気がある | 半年評価+ママ推薦+オーナー承認 |
| G3 → G4 店長 | G3として半年以上。店長代行を月◯回★こなし、その日の売上・締め・トラブル対応に問題がない。G分野Lv3。2人以上の一人前を育てた | オーナー面談 |
| G4 → G5 | 店長として1年以上、店の数字が目標を達成。次の店長を1人育てた | オーナー面談 |
降格は原則ありません。ただしG3以上の「役割」は、本人の希望や状況で外すことがあります(手当はその時点で終了)。
| 等級 | 形 | 例 | 考え方 |
|---|---|---|---|
| G0 見習い | 時給 | 基本時給 | 東京都の最低賃金以上で、近隣の飲食・カラオケの求人より少し上に |
| G1 スタッフ | 時給 | 基本時給 +50円 | Step2完了で上がる。「早く上がる」実感を最初に |
| G2 一人前 | 時給 | 基本時給 +150円 | ママ不在で店を開けられる価値。ここを一番大きく上げる |
| G3 リーダー | 時給+手当 | 基本時給 +250円、トレーナー手当(新人1人につき月◯円) | 人を育てる時間に報いる |
| G4 店長 | 月給+インセンティブ | 月給 + 店の粗利連動 | 店の数字に責任を持つ形。10店舗の店長の標準モデルに |
| G5 マネージャー | 月給+複数店インセンティブ | 担当店舗の合計で | 将来、共同経営・のれん分けの選択肢もここから |
昇格の金額は「一人前になったら大きく上がる」形にして、最初の90日を頑張る理由をつくります。数字は求人の相場と店の人件費率を見て決めてください(人件費の試算が要れば作ります)。
| 1店舗の標準チーム | 人数 | 10店舗では |
|---|---|---|
| G4 店長 | 1 | 10人 |
| G3 リーダー(副店長・トレーナー) | 1 | 10人 |
| G2 一人前 | 2〜3 | 25人以上 |
| G0〜G1(育成中) | 1〜2 | 常時10〜20人 |
| G5 マネージャー | — | 3〜4店舗に1人 → 3人 |
つまり2030年までに店長を10人、一人前を35人以上育てる必要があります。離職も見込むと、育てる人数はその1.5倍。
「足立区No.1ブランド」は、どの店に行っても同じRitaの体験があることで初めて成り立ちます。スキルマップとOJTは、その体験をコピーするための設計図です。
| いつ | やること | 担当 | できあがるもの |
|---|---|---|---|
| 今週 | この資料をママと読み合わせ。項目の追加・削除、★印を決める(Ritaらしさ5か条、常連の目安人数、時給の例) | オーナー・ママ・荒木 | 第2版 |
| 1か月目 | 教材①〜⑤をママへのヒアリングで作る(各1〜2時間)。OJTチェックリスト・日誌を印刷 | ママ・荒木 | 教材一式 |
| 1か月目 | 今いるスタッフ全員のスキルチェック(現在地)。一人前の条件を満たす人はテストを経て認定・時給改定 | ママ | スタッフ別スキルマップ |
| 2か月目 | 最初のトレーナーを任命。次の新人からOJTを運用開始 | ママ・トレーナー | OJT運用開始 |
| 2〜3か月目 | 採用時に「90日で一人前・時給の上がり方」を求人票と面接で伝える(採用の武器にする) | ママ・荒木 | 求人票の文言 |
| 6か月後 | 初回の評価面談。制度の使いにくいところを直して第3版に | 全員 | 第3版 |
名前:________ 入店日:____/__/__ トレーナー:________ 認定予定日:____/__/__
✓の入れ方:本人欄は自己申告、トレーナー欄は「3回続けて一人でできた」を見て入れる。Lv3になった日を書く。
名前:________ 等級:G_ 評価期間:____年__月〜__月 評価者:________
| 分野 | 前回 | 本人 | 店長 | 確定 | 伸びた項目/課題の項目 |
|---|---|---|---|---|---|
| A 基本姿勢(6項目の平均Lv) | |||||
| B 接客(8項目) | |||||
| C ドリンク・フード(6項目) | |||||
| D カラオケ・場づくり(6項目) | |||||
| E オペレーション(6項目) | |||||
| F 数字・経営感覚(4項目) | |||||
| G 育成・マネジメント(5項目・G3〜) |
| 行動 | 本人 | 店長 | 具体的な場面 |
|---|---|---|---|
| 1 名前で呼ぶ | |||
| 2 誰でも歌える空気をつくる | |||
| 3 一杯目が早い | |||
| 4 帰り際がいちばん丁寧 | |||
| 5 仲間の失敗を一緒に直す |
| 項目 | この半年の実績 | 評価(1〜4) |
|---|---|---|
| 店の数字(売上・客数・再来店)への貢献 | ||
| 担当した企画・イベント・SNS | ||
| 新しくつくった常連さん(人数・名前) |
| 項目 | この半年の実績 | 評価(1〜4) |
|---|---|---|
| トレーナーとして育てた新人と、その到達等級 | ||
| 教材・仕組みの改善 |
| 総合評価(A/B/C) | 昇格 | あり(G_→G_)/ なし | |
|---|---|---|---|
| 次の半年で伸ばす項目(2つ) | 1. 2. | ||
| 本人のコメント | |||
| 店長・ママのコメント | |||
名前:________ 実施日:____/__/__ 判定者(ママ):________ □ 初回 □ 再テスト
| 合否 | 種類 | 内容 | メモ |
|---|---|---|---|
| 実技① ドリンク | 指定5種:_____/_____/_____/_____/_____ タイム:__分 | ||
| 実技② カラオケ機器 | 予約・キー・エコー/トラブル:音が出ない/マイク/フリーズ | ||
| 実技③ 会計 | 現金/キャッシュレス/割り勘+領収書/レジ締め | ||
| ロールプレイ① | 初来店:お出迎え〜料金説明〜一杯目〜1曲目 | ||
| ロールプレイ② | 困ったお客様:謝る→聞く→線を引く→引き継ぐ | ||
| 口頭 | ルール・法令10問 正解__/10 | ||
| チェックリスト | 必須項目すべてLv3/常連さん__名 |
| 判定 | □ 合格(G2一人前に認定。時給改定:____/__/__から) □ 再テスト(対象:________ 日程:__/__) |
|---|---|
| ママから一言 |